« June 2004 | Main | August 2004 »

2004.07.27

『ノービットの冒険』

パット・マーフィー,『ノービットの冒険−ゆきて帰りし物語−』
浅倉 久志訳, ハヤカワ文庫SF, SF1357, P431, \800, 2001/6/15発行

2004/7/25購入, 2004/7/26読了

J・R・R・トールキンの『ホビットの冒険』を下敷きにしたスペースオペラ。

アステロイド・ベルトでひっそりとくらす軌道生活者(ノービット)のベイリー・ベルトンは、ある日、日課の小惑星めぐりで打ち捨てられたメッセージ・ポッドを拾った。律儀なベイリーは宛名人にメッセージを拾った旨を通知した。まさかそれが女性探検家ギターナやファール一族とともに、驚くべき冒険の旅にでるはめになるとも知らずに・・・

トールキンの『ホビットの冒険』をパロッた題名と表紙に辟易として発売当初は内容も見ずに敬遠して買わなかったが、ひょんなことから古本屋で発見し半額以下なら買ってもいいかなと購入し読み出したらいきなり引き込まれて一気に読了してしまった。いやー面白い。『ホビットの冒険』をこれほどうまくスペースオペラに仕立てるとはパット・マーフィーも見直したぞ。彼女のネビュラ賞受賞作『落ちゆく女』もきちんと読み直してみるかな。

解説によるとパット・マーフィーはばりばりのフェミニストらしいがだからといって主要な登場人物のほとんどを女性にするのはちょっとやりすぎかな。まあそれを差し置いても面白いことにはかわりはないが。
なんといってもビルボの指輪に相当する秘宝の扱いがうまいと思う。指輪の置き換えの上に二重に仕掛けられた設定が久々にセンスオブワンダーを感じさせた。

原本の『ホビットの冒険』とルイス・キャロルの『スナーク狩り』が激しく読みたくなった。

| | Comments (499) | TrackBack (0)

2004.07.16

『造物主の選択』

ジェイムイズ・P・ホーガン,『造物主の選択』
創元SF文庫 SF-ホ-1-20, P.491, \800, 1999/1/29初版

2004/6/20 購入,2004/07/15 読了

『造物主の掟』の続編。インチキ超能力師ザンベンドルフ君、またもやタイタンで大活躍。
ついに異星種族とファーストコンタクト。

『造物主の掟』から15年以上たって出た続編。タロイドを送り出した異星種族の話がメインプロットになっているが、この異星種族が異常に性格が悪い。前作でこの異星種族は母星ごと超新星爆発の影響で百万年前に滅亡したことになっていたが、ホーガンはちゃんとその部分と整合をとりながらファーストコンタクトを実現している。

前作もその傾向があったが前半から中盤にかけて少したるい。中盤を乗り切ればエンディングにかけてはたたみかける様に進むので前半は我慢が必要だ。
異常に性格の悪い異星種族が作り出した人工知性が異常に素直な性格だったり、ラストにかけてちょっと御都合主義な展開になって不満がのこるが、総じて評価出来る。

例によって、機械知性、サイバースペース、異星、異種族の背景構築、などなどハードSFてんこもりでその筋の人にはお勧めの1冊。

| | Comments (96) | TrackBack (0)

« June 2004 | Main | August 2004 »