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2004.08.18

『揺籃の星』

ジェイムズ・P・ホーガン,『揺籃の星』上
内田昌之訳,創元SF文庫,663 23, P.315, \720,2004/7/25初版

ジェイムズ・P・ホーガン,『揺籃の星』下
内田昌之訳,創元SF文庫,663 24, P.382, \840,2004/7/25初版


CRADLE OF SATURN の全訳。
(上巻)
地球はかつて土星の衛星であった!?土星の衛星に住むクロニア人科学者たちは、地球の科学者にとって到底受け入れがたい惑星理論を展開する。太陽系は何十億年も同じ状態を保ってきたわけではない。現に今、木星から生じた小惑星のアテナは突如彗星と化し、地球を襲おうとしているのだと。物議を醸したヴェリコフスキー理論を大胆に応用、宇宙の謎に迫るハードSF新三部作開幕。
(下巻)
通信障害の増加、いちじるく明るいオーロラの発生。彗星アテナの息吹は確実に地球に届きつつあった。大変動の日を迎えたとき、地球の未来に貢献できる人物とはクロニアにたどり着ける者であり、クロニアに行く唯一の手段とは軌道上にあるシャトルに乗り込むこと。そこで有能な原子力エンジニアでクロニア人の信頼を充分に得ているキーンが召集されるが・・・彼の下した決断は?

『衝突する宇宙』のヴェリコフスキー理論が下敷きに彗星が地球に近接しカタストロフィに至る設定を縦軸に土星の衛星に移住した人類との思想信条のギャップを横軸にストーリーが進む。
アテナを地球に接近させるあまりに荒唐無稽な理論展開に最初は辟易しながら読み進んだが、いつしかストーリに巻き込む手腕はさすがだ。『星を継ぐもの』以来変わらない手法ではあるが一歩間違うとまんまんとホーガンの術中にはまってしまうなぁ。いやそれはそれで快感ではあるが。「理論上恐竜は存在しなかった」など危うくひっかかるとこだった。総じて面白いのだが後半のエクソダスは少し強引だな。久しぶりにジャイアントスター4部作を読み直すか。

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