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2004.10.30

『ふたりジャネット』

テリー・ビッスン『ふたりジャネット』

2004/10/25購入
2004/10/27読了

河出書房新社の奇想コレクションの一冊です。
『世界の果てまで何マイル』や『赤い惑星への航海』を書いたアメリカ南部のおっちゃんの法螺話が9つの短篇集ですがどれも面白い。

「熊が火を発見する」Bears Discover Fire
さすがトリプルクラウン+スタージョン記念賞、デイヴィス読者賞などの受賞作。my favarite でした。できれば表題  作にして表紙を松明を持つ熊の絵にしてほしかった。読み進めるとなぜか焚き火にあたっている熊が限りなく人間のように思えてくる。傑作。

「アンを押して下さい」Pree Ann
しゃべるATM。途中面白いのにオチが中途半端。残念。

「未来からきたふたり組」Tow Guys from the Future
時間旅行とパラドックスのロマンティックコメディ。「アイ・ラブ・ルーシー」ってどんな映画だっけ。
ルイス・キャロルも関連したり、まだまだ気づかない個所があるかも。

「英国航行中」England Underway
ひょっこりひょうたん島になったイギリス。それにしても英国紳士の特徴が良く書けてるなー。

「ふたりジャネット」The Two Janets
主人公の故郷になぜか作家が次々引越ししてくる。奇妙な味のお話。なぜこれを表題作にしたの? ややインパクトに欠けるなぁ。

「冥界飛行士」Necronauts
盲目の画家が臨死体験。『航路』と比べてはいけないがコンパクトにまとまってはいるなぁ。どうして臨死体験ものってこう後味が悪いのか。読後陰気な気分になってしまった。

「穴のなかの穴」The Hole in the Hole
《万能中国人 ウィルスン・ウー》シリーズ第一作。
面白い。車オタクにNASA(宇宙開発)オタク。万能中国人が面白いのは当たり前だがボケ役の主人公がいい味をだしている。

「宇宙のはずれ」The Edge of the Universe
《万能中国人 ウィルスン・ウー》シリーズ第二作。
面白いの2連発目。紐理論、反エントロピーなどなど。ばりばりのハードSFのふりをした単なるほらばなしなのにつりこまれる。

「時間どおりに教会へ」 Get Me to the church on Time.
《万能中国人 ウィルスン・ウー》シリーズ第三作。
面白いの3連発目。余暇宇宙、局所的時空のゆがみ、バタフライ理論。主人公がどこにいても電話をかけてこれるウーがすごい。

万能中国人素敵。それにしてもシリーズ名になっている万能中国人って本文のどこにもでてないんだよなー。
まさにそのとおりの呼び名だとはおもうけど。

古き良きアメリカン・トール・テールです。特に《万能中国人 ウィルスン・ウー》シリーズはイチ押し。
短編集なので色々なビッスンが味わえるお得な1冊。

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